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少年、煙と雨傘——版画による香港「反送中」運動記録

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  • 会期:2021年10月23日(土)~2022年2月13日(日)・毎週月曜日休館

    開館時間:10:00~17:00(入場は閉館の30分前まで)

  • 会場:二二八国家紀念館 二階南翼/台北市中正区南海路54号

  • プランナー:李迪權

    後援:內政部

  • 主催:二二八事件紀念基金会、二二八国家紀念館



     2019年3月、香港特別行政区政府は、「2019年逃亡犯及び刑事事件相互法律協力法令(改正)条例草案」を提出しました。これは「逃亡犯条例」と「刑事事件相互法律協力条例」の改正が主となっており、同条例が可決されれば、香港人、台湾人あるいは外国籍の人が香港を訪れた際、この条例に基づき、中国によって逮捕されてしまう恐れがあります。


     この条例草案が公布されると、香港人は強烈に反対しました。一方、香港政府は話し合いを拒否する態度を示し、結果、2019年6月以降、香港社会で大規模な「反送中(中国への身柄引き渡し反対)」デモを引き起こすこととなりました。しかし、香港政府の態度はさらに強硬なものとなり、公権力をもってデモを激しく非難し、反対派を制圧するようになりました。香港当局のこうした強硬姿勢は、人々の不満を高めることとなり、香港人は幾度も、そして継続的に100万人以上のデモ活動を行いました。香港政府は、こうした平和的なデモを「暴動」とみなし、香港警察は暴力的な鎮圧に乗り出し、抵抗する民衆を逮捕するようになりました。催涙弾による際限なき攻撃、見境のない市民への暴行、当局とマフィアの結託による地下鉄車内でのデモ参加者への「懲罰」、失踪や不可解な「自殺」事件の続出など、当局の公権力は、もはや市民を守るものではなくなり、民意を押さえつける武器へと変わってしまったのです。


     「反送中」運動が始まってから現在まで、2年以上経ちました。新聞社は発行禁止処分となり、運動のリーダーらは逮捕され、デモ参加者はその代償を払うこととなりました。日増しに殺伐としていく雰囲気は、この都市の声を失った様子を見届け、これらの抗争の有り様は、まるで1947年に起きた二・二八事件の後の台湾のようで、70数年後の今日、香港で実際に発生してしまったのです。2020年、新型コロナウイルス(COVID-19)が世界中に蔓延し、我々が感染拡大の防止に追われていたその時、香港の民主主義、自由はじわじわと失われていきました。香港を立ち去ることができる人は移民し、立ち去れない人は口をつぐんで生きていかざるを得ません。その立場の弱さは、まさに絶望的だといえましょう。


     香港の人権問題に対する関心を再度喚起し、引き続き香港の「反送中」運動への支援を行っていく為、マレーシア出身の版画家、李迪權氏を招き、ここに、「反送中」運動に関する版画作品を展示します。「反送中」運動と抗争を間近で観察し記録した100枚余りの作品を集めました。香港のおかれた状況を人々に知らしめるとともに、民主的な社会で生きる台湾の人々の関心を呼び起こしたいと考えています。

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